4章からなる。1章は人気曲、2章は大作曲家の3曲、3章は音楽史を作った曲、4章はジャンル別。1ページ1曲で著者は5人。若手の許氏と鈴木氏は過激な表現で意表をつく。特に許氏は日常会話のようなわかりやすさは特筆ものだが、氏の感想だけといった内容で、好みが異なる人にとっては何も感じない。言葉がきついだけに後口が悪い。その点、梅田、脇田、荻原氏の担当分は、特に拙の苦手な現代音楽については、納得させられるものがあった。読んでいるうちに著者の好みがわかり、それが自分と異なる場合は、どのようなことを書くのかが推察できてしまうので、総じて、「あっそう」といった言葉しか出ない。この内容でこの金額は高すぎた。格調高い密度の濃い文章で意見を書いてもらいたい。音楽を客観的に評するのは難しいのだが。(青弓社)
蝉などを夜捕獲するアオヤブキリ、コオロギの生態、蝗虫(バッタ)類の発音器の観察、土から生まれる時の蝗虫類の生態、松の行列虫の生態と気圧感知器、行列を作る本能、松の行列虫など芋虫の持つ毒素の研究。特に毒素は代謝の結果生まれる尿退廃物で、鱗翅類に共通しているが、毒を持つと思われている幼虫は、糞に汚れるような環境で生活し、かつ、毒素が付着しやすい毛を持つものであることを、自ら毒素をエーテルで抽出し、皮膚に塗布して実験して明らかにしている。いつもながら、緻密な観察と努力に感心してしまった。(岩波文庫)
雌だけが子供用の糞玉をこしらえる聖タマコガネにくらべ、アシナガタマオシコガネは雄が協力するので多数の糞玉を作ることができること。学校時代の思い出。ブエノスアイレスのそうの協力者が現地から送ってくれる観察と物で、フランスにいない糞虫についての考察。昆虫の色彩に代謝物である乳白色のアンモニア尿酸塩が関与していること。動物の死体を処理しているシデムシの生態と知能実験の観察。カオジロカラフトギスの主食はバッタ類であり、加えて悪草である野稗の種子も食べることができること。その卵は土中に産みつけられるが、繊細な触角や華奢な脚がある昆虫なので、薄膜に包まれて頸部の可動性のある瘤の動きによって土の中から出てくること。発音器の観察と考察。
よくもま〜、これだけの観察をしたものだと、いつもながら感心させられる。描写に、やや大げさなところがあるが、かえって読み物としては面白い。先が気になる。(岩波文庫)
聖タマコガネ、大頸タマコガネは山羊の糞に集まり、子供のために糞を玉状に整形し、後ろ足で転がして運んでいく。地中の巣の中に運び入れ、卵を産み付ける小部屋を作り、梨型となる。幼虫は内部を食べて大きくなる。真夏の暑さで梨玉の外殻は、ひびが入ったりするが幼虫は、すぐに中から補修する。内部で蛹から変態するが、外殻は堅く外へは出られない。雨が降ると、増加した湿度により柔らかくなった外殻を破って成虫が出てくる。イスパニアダイコクコガネは糞を転がして行くことはなく、産む卵の数に必要な量の糞を巣に運び、卵形の糞玉を作り、その後は巣にとどまり、卵の世話をする。カビが生えると掃除し、ひびが入ると修繕する。そして、蛹から変態し、雨の湿度で外殻が柔らかくなって出てきた子供と一緒に巣を出る。一方、クロマルコガネなどは井戸状の巣を掘り、そこに糞を運び込み指ぬき状に固めてそこに卵を産む。その中で幼虫は成長し、雨の水分によって柔らかくなった外殻を破って子虫が出てくる。相変わらずの詳細な観察と、その結果の緻密な表現に感心する。今なら映像を撮影して終わりだが、動画がなかった当時は文章での表現が必要だった。大変な努力だ。(岩波文庫)
ドロバチは幼虫の餌にハムシを狩る。針を刺してハムシを麻痺させる。ハムシは揮発性の悪臭物質を出して防戦するが、ドロバチは悪臭物質の貯蔵脳を好んで食べる傾向が見られた。
ミツバチハナスガリは幼虫のためにミツバチを狩る。頭部に針を刺してミツバチを即死させ背部を強く噛んでミツバチの胃の蜜を絞り出して飲み干す。幼虫のためだけでなく自分が蜜を飲むためにミツバチを殺すこともある。ファーブルは残酷な行為だと非難している。しかし、実験の結果、蜂蜜は幼虫にとって毒である。それを除くために残虐に見える行為を行っていたのだ。
ジガバチは夜盗虫の狩りでは、まず、最初に胸を3度針でさし、次いで、全体節を腹面から刺す。最後に頚をくわえて脳神経に接する、この場所をを噛んで大顎の動きを封じる。
ツチバチは獲物のコガネムシの幼虫の胸板、頚の下の前肢のつけ根の高さの中央に1刺しして決着する。
これらのハチが相手の神経系の最適な部分に針を刺すというファーブルの見解に、多くの反論がありる。ハチは刺せるところに針を刺して、その毒によって麻痺されるのだととの反論。ファーブルは観察の事実で見事に反論を撃破している。また、ミツバチの針を使って各種の実験を行い、獲物を狩るハチとの違いを明らかにしている。
カミキリムシは長い幼虫期は木の中で、その木をひたすら食べて、穴を掘って暮らす。成虫への変態の前に、成虫の出口を作った後、変態する、将来を見越して行動する本能について述べている。
本分冊でも進化論に対する否定的な見解を述べている。形態だけでなく、狩りを行う昆虫の行動を見ると偶然性の結果を固定させることが不可能なことを強調している。なるほどと感心してしまうが、現在の科学ではどのような見解になっているのかが知りたくなった。