抜け雀(古今亭志ん朝3)
え〜、プログラムなんぞを見ますってえと、このタイトルも、大変に、この凄いですしね、中の文章なんかも、ものすごい事が書いてありますが、「俺のことじゃねえんじゃねえか」なんて思う、さすがは、大阪という感じですな。−−東海道小田原の宿場、日が暮れかかっている時分、年頃二十五、六、みすぼらしいなりをした小太りの男が通りかかる。旅籠、相模屋の亭主が客引きで泊まってくれるよう声をかける。男は「百両も預けておこうか」といって亭主を安心させ止ることになる。朝、昼、晩、日に三升ずつ酒を飲み二回でごろごろして、七日も経とうというのに出て行こうという気配がない。宿の女房が亭主を呼んで、一文無しかもしれないと、酒代に五両ほどもらってきてくれと頼む。亭主は寝ている男を起こし、わけを話すが、なんと一文無し。仕事は絵師だと聞いて亭主は困るが、男は、ついたてに無理やり雀の絵を描いて、宿銭の形だと言って出て行ってしまう。女房は、ふてくされて寝てしまう。次の日、朝早く、亭主が掃除をしようと、雨戸をあけ朝日が差し込むと、ついたての中の雀が抜け出し、えさをついばんだあと、ついたての中に納まった。このことが、評判になり、相模屋は大繁盛、「雀のお宿」という別名がつく。ご城主の大久保加賀守様がご覧になって千両でお買い上げになることになり、夫婦は男の帰りを楽しみに待つ。あるとき、上品なお武家様がやって来て、雀の絵を見たいといってお泊りになる。次の日、絵を見たお侍は、絵に抜かりがあるという。止まり木が描いてないので、雀は疲れて落ちて死ぬという。困った亭主は、止まり木を書いてもらうことにする。雀が抜け出た間に、書かれた鳥かごの中に、雀はぴたりと納まった。この話が評判になり、大久保加賀守様が、二度目にご覧になり、二千両でお買い上げになるとの話。しばらくして戻ってきた、一文無しの男、夫婦は雀の絵をもらうことになり、お武家様の話をすると、男はすぐに絵を見に行く。絵を見た男はついたてをみて、謝っている。聞けば、お武家様は父親で、この雀の一件で、勘当が解けて、国許に帰るところだという。宿屋の亭主「こういうことで恩を返すのはね、一番の親孝行ですよ。ね、あなた、親孝行ですよ」「いや、親不孝だ。ついたてを見ろ。大事な親を駕籠かき(籠描き)にした」
マクラは旅の印象、タクシー、海外でのチップ、昔の旅について。テンポ良く明るく華やかな語り口。本格派の語りと筋書きに、志ん生譲りのデフォルメを適度に効かせて、人情噺と滑稽話好きのいずれも満足させることのできる、充実した口演でした。
マクラは旅の印象、タクシー、海外でのチップ、昔の旅について。テンポ良く明るく華やかな語り口。本格派の語りと筋書きに、志ん生譲りのデフォルメを適度に効かせて、人情噺と滑稽話好きのいずれも満足させることのできる、充実した口演でした。

