デイズ・オブ・グローリー(仏=アルジェリア=ベルギー2006)

第二次大戦中、フランス軍へ志願した植民地アフリカのアラブ系兵士の物語。フランスのために命を賭けて戦っても、差別されフランス人と同等に扱われない。ドイツ軍に占領されていたアルザス地方のアメリカ軍の応援に一番乗りを果たしたなら全員の行賞を得られると、兵曹は任務を志願し、アルザスを死守したものの、部下全員が戦死し自分だけが生き残ったが、行賞は得られなかった。フランスを舞台にした映画だが、バックに流れるアルマン・アマール担当のアラブ調の音楽が不思議な雰囲気を与える。画調ははややセピア系で当時の雰囲気をよく出している。敵兵の登場は最小限、フランス軍内部の矛盾、エゴを描いている。強国の行う仕打ちには、いつも犠牲者がいるのでした。理不尽さに悲しくなる映画でした。登場人物は非常に濃い顔の男たちで印象に残りました。☆

Presents〜合い鍵〜、Presents うに煎餅(日2006)

時間の流れが遅い。若い頃は確かにこうだったと、今、思い出す。クリスマスに恋人から合い鍵をもらって、8年後、分かれて鍵を返すまでと、留年して大学生恋人を持つOLの、バレンタインとホワイトデーを通しての結びつきを描いたオムニバス。東京のある町の一風景のような映画。密度の薄い映画だが、恋愛はこういうものだ。東京へ出張に出かけて、そのとき一瞬眼にした出来事のような映画でした。ごく普通であることがいい感じでした。それにしても薄い映画だ。

五線譜のラブレター DE−LOVELY(米=英2004)

コール・ポーターと妻のリンダとの人生を綴る。全編を彩る楽しくソフィスケイトされたポーターの音楽。物語は晩年のポーターが人生を回想。妻のリンダを愛しながら、同性愛の裏の顔を持つ。妻に刺激されてニュー・ヨーク、ハリウッドで大成功。夫婦の間には溝が入り、ポーターは落馬事故で下半身が不自由になる。妻は肺の病で倒れる。二人の愛は本物だった。明るく楽しい、又、美しい音楽、物語は次第に暗く重くなる。やはり、人生は万全とは行かないもの。今までのコール・ポーターのイメージが変わりました。ポーター役のケヴィン・クラインはなかなかの演技だったが、拙にとっては地とアクを感じすぎて、最後までなじまなかった。音楽はスティーブン・エンデルマン、なかなかいいアレンジをしてたと思う。楽しい音楽に深く重くなる物語の映画でした。人生は重い。

裏切り者(米2000)

朱に交われば赤くなる、白に戻るのは大変だという映画。信頼をなくした物の結末はこうなるに違いないというお話。ニューヨークの地下鉄関連会社の汚職という実話を基にしているとのこと。友達を信頼して行動をともにした男が、殺人の罪を着せられ逃亡するが、信頼していた人々にことごとく裏切られ、勇気をふるって自首して真実を語る。久々のジェームズ・カーンの貫禄とフェイ・ダナウェイの枯れぶりに隔世を感じた。音楽のハワード・ショアは、この手の暗めのシリアスなジャンルになくてはならない存在になってきたのでは。前半で、どうしてこんな行動をとるのかがちょっと考えられなかった。責任としては当然の行動を描いた映画でした。

ヘアスプレー(米2007)

原色ギラギラのカラフルな映像と60年代アメリカのファッション、なんといっても楽しくリズミカルな音楽。ボルティモアのヘアスプレー会社提供のローカルテレビ局の若者向け音楽番組。太った音楽・ダンス好きの女の子がレギュラーになったことから、人種偏見色濃い番組から差別が撤廃されるお話。最初は最後まで耐えられるかと思ったが、素晴らしい歌唱力の音楽にあっという間に引き込まれる。60年代テイストを今のノリに加えた音楽が何とも懐かしく新鮮。ルックスだけのアイドルが多い日本とは大違い。アメリカの懐の深さを思い知らされる。また、クリストファー・ウォーケンの枯れた親父。寄り眼の気持ち悪いジョン・トラボルタの太ったおばちゃん。ギスギス悪女女のミシェル・ファイファーなどちょっと変わったキャラクターに笑ってしまうのです。音楽が誰かと思いきやマーク・シャイマン、キレとノリのいい音楽に60年代のムーディなスコアを加えて楽しさ満点。ジェームズ・マースデンが60年代の雰囲気を最も出していた。人種差別をテーマにしているが全く暗くないのもいい。時間がたつのを忘れてしまいました。意外にも☆
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