ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」(マゼール=ニューヨークpo)

北朝鮮での演奏会の録音。演奏前にマゼール自ら曲について説明する。ニューヨークpoの委嘱であったことや霊歌などアメリカの素材が使われていることなどを。1.テンポを自在に変えて主題を対比的に演奏する。しかし、情に流れることなく、細部まで良くコントロールされ、すばらしいアンサンブルで各声部がクリアーに描き分けられている。歌うところは情感豊かに歌い、また、重量感や迫力、緊張感も不足していない。知的に考えられた、巨匠風の演奏だ。2.ゆったりとしたテンポで丁寧に描かれる。しかし、中間部ではこれまでにないほど悲しく深刻な雰囲気になる、十分に練られた結果だ。3.早めのテンポで推進力がある。緩徐な部分はゆったりとかなりテンポを揺らせる。4.大変な勢いを持って開始され、スケール感と緊張感は充分だ。総じて、自信に満ちたコントロールで確信を持った演奏。メロディーを充分に歌うが情に流されてはいない。クールで、あっさりと進めている。フィナーレのフェルマータは適度にきっている。無法なやくざな国、北朝鮮での演奏だけに、緊張もあるのかアンサンブルに若干の傷があるう。年老いても、若々しさと巨匠性を保ったマゼールでした。残響が豊富で音質もいい。(NYP)

1.Adagio — Allegro molto
2.Largo
3.Scherzo: Molto vivace — Poco sostenuto
4.Allegro con fuoco

潜水服は蝶の夢を見る(仏=米2007)

 脳幹部の脳梗塞で眼以外の運動機能が麻痺した雑誌編集長の実話。目が覚めると、見ることしかできない。最初は悲観的な考えに終始していたが、相手に読んでもらったアルファベットを瞬きで選ぶことにより、意思の疎通ができるようになり、本を書き上げ出版する。そして、その10日後に肺炎が基で死亡した。カメラが患者の目になっている。視点が逆でちょっと違和感があるが、患者側からの気持ちがよく理解できる。自分を潜水服をきて海底に沈んでいると表現し、そんな沈鬱な状態の中、蝶がさなぎから出るように回復することを夢見ている。全身不随の患者が考えるのは夢と過去の思い出。切実な話。現実の中に思い出した過去のシーンが、主人公の人生を加えていく。秀逸なのは、マックス・フォン・シドーの演技でした。音楽はほとんど無い。ヨーロッパ映画らしく地味ながら、訴えるところは多かった。だが、いかんせん感情が沈んだままで、気分も浮かび上がらず、中でちょっと退屈した気分になった。

イエメン・アラビアン・オアシス(シティ)

自家焙煎:豆は小さめでややばらつきがある。やや焼きムラもできた。寒くなったせいか、色がなかなか濃くならない。抽出液は薄め。酸味と苦みが強く。ややとげがある感じ。後にうま味が残る。ライトボディになった。

インド・モンスーン・ロブスタ(フル・シティ)

豆は標準的でややばらつきがある。抽出液は濃いめ。香ばしい苦みが特徴。その中に酸味と甘みが隠れている感じ。ややスモーキーな風味でした。

グローリー・ロード(米2006)

 アメリカ南部、テキサスの田舎大学のバスケットボール・チームのコーチに就任したドン・ハスキンズ。黒人選手をスカウトして猛練習、人種差別の風を払いのけて大学リーグで優勝する実話。
 テーマは大国アメリカの人種差別。黒人が実力で勝利をつかみ取る爽快感や差別問題と人間関係をバランスよくまとめた優等生的な脚本。いずれかに偏るとタイプの違ったものに仕上がったろう。いいとこどりで、ややきれいになりすぎた感がある。しかし、気分は爽快で暖かくなる。音楽はトレヴァー・ラビン、プレイ中のスコアは和太鼓を連想させる重低音の激しいリズム感が緊張感を増す。エンドクレジットの間に、登場人物の本人たちが登場している。彼らへの敬意を込めて☆
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